『機長からアナウンス』
この人の本は初めてです。書店の店頭で見つけて購入しました。
これまでに紹介した田口さんはJALの機長だった方ですが、こちらの内田幹樹機長は、A社の機長だった方だそうです。ざっくばらんな語り口で読みやすい文章です。
巻頭に登場する「サーモンのライス添え・・・酢豚とパン・・・」の下りは大爆笑。やっぱ機長も苦労してますねえ。
飛行機マニアからは「名機」と称されており、プロジェクト Xにも登場しているYS-11については、「コックピットの居住性が悪い」、「国産と言いながら国産パーツはほとんど無い」、「B737とサイズは同じなのに乗客数は半分」、「マニアに高い評価なのはSLのイメージか」、「軽自動車のエンジンを積んだクラウン」と、メッタ切り・・・「プロジェクトぺけ」あるいは、「残念っ」と言ったところか。マニアが外から見ているイメージと、仕事として操縦・運用する側との感覚が大きく異なることがよくわかります。
管制官の問題、関空の管制の問題(千歳->関空便でも空域制限のため鳥取〜岡山まで迂回して淡路島側から着陸しなければならない!)など、民間企業を退職された機長だからこその問題提起も多くあります。このへんのことは、田口さんの著書では全く触れられていません。
運輸省(国交省)は、伊丹便減らそうとしているが、羽田ー関空便でも紀伊半島の南を迂回するルールになるなら、誰も乗らないよ。みんな新幹線だね。
田口さんの『機長の〜』シリーズは、読みやすくおもしろい文章ではあるのですが、どちらかというと「建前」で書かれていますが、こちらは割と「本音」が出てきます。著者の個性の違いかも知れませんが、国営だったJALと、当初から民間航空会社だったA社との違いが出ているのかも知れないなぁと思えて楽しくなりました。
と言うわけで、新しい見方が出来るようになり、おもしろくてためになる1冊でした。


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